1月10日、ついにビットコインに連動する11本のETFがアメリカで承認され、一部は早ければ11日にも取引開始されるという。
ビットコインETF上場
ビットコインETF上場への期待は少し前から囁かれ続けており、ビットコイン価格はその期待から上がってきた。ETFが上場すれば、暗号通貨を取引する口座を持たない一般の株式投資家の資金も流入してくるというわけである。
ビットコインの価格チャートは次のようになっている。
ビットコイン先物上場後の記憶
だがこの話を聞いて筆者がどうしても思い出してしまう過去の相場がある。ビットコイン先物が上場された2017年のビットコイン相場である。
先物はETFとは違い、最低取引単位が大きく機関投資家の利用が多い。だが暗号通貨取引所だけで取引されていたビットコインが本物の金融市場にやってくるということで、機関投資家の資金流入を期待して2017年のビットコイン相場は大いに上がったのである。
筆者はその相場をリアルタイムで見ていたので、もしかしたら今や多くのビットコイン愛好家よりも古株ということになるのかもしれない。当時のことを覚えている読者もいるだろう。ビットコイン先物への期待で大いに上がったビットコイン価格は、2017年12月の先物上場でクライマックスを迎えた。そして上場のあとビットコイン価格がどうなったかと言えば、本当にそこがクライマックスになってしまったのである。
当時のビットコイン価格は以下のように推移している。
まさに12月の先物上場が天井となってしまっている。
結論
これは、いわゆる「噂で買って事実で売る」という相場の典型である。あるニュースが期待されてそこまでは上がるが、そのニュースが出てしまった後はそれ以上もう良いニュースが出てこないので、そこが価格のピークだということである。
勿論、今回のビットコイン相場がまったく同じようになるとは限らない。2018年のビットコイン下落は2018年の世界同時株安とタイミングが被っており、金融市場全体の地合が悪かったことは考慮しなければならない。
2024年のビットコイン価格の地合は、アメリカ経済に景気後退がいつ来るのか、まだ来ないのかに影響されるだろう。
だがビットコインETF上場を控えて、投資家は「噂で買って事実で売る」の一言は頭に置いておいても損はないのではないか。特に価格への予想はないが、ふと思ったことを記事にしてみたまでである。