AIや画像処理、暗号通貨などに利用されるGPUを開発するNVIDIAは米国時間1月8日、新製品のGeForce RTX 4080 SUPER、GeForce RTX 4070 Ti SUPER、GeForce RTX 4070 SUPERを発表し、株価は上昇、史上最高値を更新した。
新製品発表で株価急騰
NVIDIAは米国株におけるAI関連の筆頭銘柄である。AIには膨大な計算量が求められるが、それを行なうのがNVIDIAの作るGPUだからである。
新しいこれらのGeForce RTX 40 SUPERシリーズは専用のAI Tensorコアを搭載し、PCでAIを動作させることを目的に作られている。個人が自宅でAIを動かすことが、これでより容易になるだろう。
AI銘柄のNVIDIAがAI用に開発した新製品の発表によって、1月8日の米国市場で株価は6.43%急上昇した。チャートは次のようになっている。
NVIDIAの株価バリュエーション
ちなみにNVIDIAはここでも紹介していた銘柄である。一般には高いとされることの多いNVIDIAの株価水準だが、筆者はむしろかなり割安だと何度も主張してきた。
この8月の記事時点では、NVIDIAの株価収益率は111倍だった。その数字だけ見れば割高に見える。だが同時にNVIDIAの1株当たり純利益は1年で3倍以上という脅威の高成長を見せていた。
結局、NVIDIAのような高成長銘柄は今の純利益ではなく、将来の純利益で計算した株価収益率を見なければならない。
最新のデータでは、NVIDIAの1株当たり純利益は来年には20.44ドルになるというのがアナリスト予想の平均である。現在のNVIDIAの株価は522.53ドルなので、これを元に計算した株価収益率は25.6倍となり、AI需要によって高成長しているNVIDIAの株価水準が利益増加によって来年にはほとんどS&P 500の平均になるという計算になる。
結論
もう何度も説明しているが、このバリュエーションはおかしいのである。新製品自体は何の驚きでもない。AI銘柄であるNVIDIAがAI向け製品を出すことに何の驚きがあるのか。今回の株価上昇は、単に新製品がきっかけとなって元々割安過ぎるバリュエーションが正しい方向に修正されているに過ぎない。
以下の記事で説明した通り、この傾向はアメリカ経済全体が沈まない限り続くだろう。
NVIDIAを最大ポジションとして保有しているスタンレー・ドラッケンミラー氏も同じことを考えているだろう。彼のNVIDIA株の推移予想も参考にしてもらいたい。