米国時間9月21日、アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、利上げの見送りを決定した。
事前にイエレン議長やフィッシャー副議長を含むFed関係者からタカ派のコメントが出ていたことから利上げの有無が注目された会合であり、カンザスシティ連銀総裁ジョージ氏、クリーブランド連銀総裁メスター氏、ボストン連銀総裁ローゼングレン氏の3人が0.25%の利上げを主張したが、イエレン議長を含む多数により否決された。前回の会合で利上げを主張したのはジョージ氏だけだったが、利上げを主張するメンバーの数が増えたことになる。
利上げ見送りを受けてポジション調整
読者には周知の通り、個人的には1月からゴールドの買いポジションを抱えているが、利上げの懸念が高まったことから利上げによる金価格急落のリスクヘッジとして、米国株のプットオプションの買い(下落すれば利益の出る取引)を開始することを8月8日の記事で宣言しておいた。
しかし今回の利上げ見送りでこのヘッジはひとまず役目を終えたと言える。したがって会合の直後にこのプットオプションをすべて売却した。米国株の推移は以下の通りである。
今後の米国利上げ見通し
しかし、9月の会合を乗り切っただけで利上げを乗り越えたと言えるのか? 答えは、完全に乗り越えたとは言えないが、9月に利上げがないのであれば、次のアクションは利上げではなく利下げになる可能性が高い、である。
何故ならば、12月のFOMC会合の前には7-9月期のGDP統計が発表されており、この数字が前回同様アメリカ経済の減速を裏付けるものとなれば、アメリカ経済の長期的な弱さがかなり決定的に裏付けられてしまうからである。この議論の詳細はドルの見通しと共に以下の記事に纏めている。
ちなみにこれは金相場に対しても朗報である。金価格の推移予想については以下の通り。上記の記事と一緒に参考にしてほしい。
すべては今後のアメリカの経済統計次第である。気を抜かず引き続きフォローしてゆきたい。