ワコム (TYO:6727、紹介記事)には以前よりゴールドマンとドイツ銀行の空売りが入っているが、25日にUBSが発行済み株式の0.52%の空売りを新規報告した。これで大口の空売り総残高はゴールドマンの4.51%、ドイツ銀行の1.47%と合わせて6.5%となる。
空売り報告義務は0.5%以上であるから、25日の出来高も考えて、UBSは新たに0.52%売ったのではなく、元々持っていたショートポジションを少し増やしたことにより、報告義務が生じたのだろう。したがって需給関係においても状況が変わったわけではないということが言える。
ファンダメンタルズの状況も、基本的には変わっていない。ドル円はほとんど変わらず、ユーロ円は少し下げたが、それでもワコムの株価が今と同じ水準であった2年前と比べてユーロ円は40%上がっているのだから、こちらも売りの理由にはならない。
結局、問題は、売上高の高成長が今後も続くのかどうか、そしてそれがはっきりと示される年末のホリデーシーズンの売上が、来年の年明けには分かってくるだろうから、それまで買い方が持ちこたえられるかどうかということである。成長の持続については紹介記事に書いた通りである。
空売り残高が増えるにつれて、買い方は売り方の売り値よりも安い値段で買いを増やしても良いが、しかし紹介記事の想定底値まで落ち込んだ場合の含み損にも耐えられる規模のポジションには抑えなければならない。この投資における敗者は、今年の内に売らされた買い方と、同じ期限までに逃げ遅れた売り方である。そのどちらにもならないようにだけ注意していれば、この銘柄は割の良い投資であり続けるだろう。