ワコム (TYO:6727)の株価と出来高は金曜と月曜に急騰したが、11日に今週月曜までの空売り残高が公開され、売りを仕掛けているゴールドマン、ドイツ銀行ともに、空売り残高がほとんど変わっていないことが分かった。発行済株式総数比で、ゴールドマンの残高は変わらず4.51%、ドイツ銀行は金曜に0.06%減らして1.54%、2社合計で6.05%である。昨日と今日で大口の取引らしき出来高が見受けられないことから、売り方は株価が上がった後もこの売り残をこのまま抱えているものと思われる。
出来高から、先に売りに入っていたドイツ銀行がポジションを手仕舞い、利益を確定したのかと思ったがそうではなかったようだ。恐らく含み損を抱えていると思われる後発のゴールドマンとは違い、早くから空売りを始めていたドイツ銀行は、この近辺で手仕舞っていれば成功したトレードと言えただろうが、手を引く前にほかの買い方に踏み上げられた形となる。
いずれにせよ、これは買い方には良いニュースである。最初の記事に書いた時間の制約のため、売り方はこの水準から、株価を15%程度押し上げうる買い戻しを半年以内に行わなければならないことになる。
投資家動向というテクニカル要因で想定底値を上げることはしないが、買い方は安値が来れば心持ちポジションを膨らませても構わないだろう。少なくとも、600円近辺では売り方が積極的に売り増して来ないことが確認されている。安値で仕込み高値で売るという鉄則を忘れることなく、冷静にポジションを調整してゆけば、引き続き買い方には割の良いトレードとなるはずである。