ドーハ産油国会合結果速報: 合意なし!

とんだ茶番であった。4月17日にドーハで行われたOPEC及び非OPECの産油国会合で、原油市場の供給過剰を改善するために増産凍結で合意がなされるとの思惑から、ここのところ原油価格が上昇していたが、産油国会合は何と合意なしで終幕した。空売りの好機を伺いながらポジションを徐々に組み始めていた投資家としてはかなり拍子抜けである。

ちなみに週末までのWTI原油価格は以下のようになっていた。

2016-4-13-WTI-crude-oil-chart

イラン不参加で行われた産油国会合

先ず、そもそも会合の直前にイランが不参加を表明した時点で、会合は上手く行っていたとは言えなかった。それでも会合の途中まで、サウジアラビアやロシアなどは共同声明の草案を練るところまで行っていたようだが、CNBC(原文英語)など報じられているところによると、会合日の昼過ぎ頃になってサウジアラビアが異議を唱えだし、結局のところ合意なしで会合は終わってしまった。

サウジアラビアはやはり、イランなどが不参加のまま増産凍結の合意を行うことを嫌ったらしい。イランは米国からの経済制裁が解除されたばかりで、これまで輸出できなかった原油を輸出し始めたところであるから、現状で増産凍結に合意など出来るはずはなく、イランの不参加は市場でも織り込み済みであった。

原油投資家には期待外れの合意なし

ということで、原油は売りで正解であったようである。読者には周知の通り、個人的には会合前の原油価格上昇を利用して、下落方向に賭けるポジションを取り始めていた。

原油価格は結局40ドル台前半までしか上がらなかったので、大したポジションは取れなかったが、投資戦略は間違っていなかったのだから、文句は言わないこととしよう。利益は利益である。

原油価格の今後の見通しについては、以前の予想記事で書いたレンジの通りである。以下の記事には2016年の原油価格の上限と下限が書いてある。