ガンドラック氏: インフレが良いものだという幻想

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、長らく警告し続けていて今年現実のものとなってしまったアメリカの物価高騰について自社のWebcastで語っている。

インフレの原因

ここの読者には当たり前の結果に思えるだろうが、世界的なインフレが問題となっている。

ここで紹介している優れたファンドマネージャーらは全員コロナ後の現金給付や量的緩和を批判していたが、ガンドラック氏は中でも早くから政府の対応を批判していた。

彼らは2020年の時点で既に警告を発していたが、政治家や中央銀行家は2021年の後半になってもインフレの脅威を無視し続けた。

彼らはあらゆる言い訳を使って自分たちの引き起こしたインフレから人々の興味をそらそうとした。ガンドラック氏は次のように述べている。

イエレン氏やパウエル氏はインフレを一時的だと言った。次に彼らはインフレは良いものだと人々を説得しようとしたが、誰もインフレを良いものだと思わなかったため、それは失敗した。

だがつい去年までは誰もがインフレを良いものだと思っていた! リフレ派の政策を多くの人が支持し、誰もがインフレになるように願っていたのから、人々がインフレに文句を言っているのは完全におかしなことである。

インフレとは物価上昇以外の何ものでもなく、事実その通りのことが起きているのだが、恐らく人々は2022年に入って始めて辞書の使い方を覚えたのだろう。

物価高騰の本当の原因

インフレの原因はロシアでもウクライナでもない。以下のアメリカのインフレ率のチャートを見て、ウクライナ情勢の始まった2022年2月末が何処であるかを見てみると良い。

マスコミはこのような2秒でデマと分かるようなデマを平気で垂れ流している。

物価高騰の原因は、何度も言っているように、現金給付と量的緩和と脱炭素政策である。

だが政治家や中央銀行家は今なお現実逃避を続けている。ガンドラック氏は次のように続ける。

次に彼らはインフレは強欲な企業のせいだとか、プーチンのせいだとか言い始めたが、インフレの主な原因はもちろん政府の過剰な財政支出である。

結論

よく考えてみれば12才児でも分かるはずの、インフレが善であるという完全な誤謬を撒き散らしたリフレ派の災禍が金融市場だけでなく、ついに世界の家計にまで影響を及ぼしている。

インフレを望んでいた人々、インフレ政策を支持した人々にとっては天国のような時間になっているだろう。

一方で、彼らの愚かさに付き合わされる他の人々にとっては迷惑以外の何ものでもない。

しかし金融市場にはフェアな点もある。政府の愚かな政策を盲目的に信じる人々は、高確率で彼らの薦める米国株を買っているだろうからである。

世の中は本当にフェアにできていると心の底から思う。彼らには是非、自分の選択の結果を楽しんでいただきたい。