1月FOMC会合結果速報: 利上げはなし、世界経済と金融市場への懸念を表明

米国時間1月27日、Fed(連邦準備制度)は金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、2015年12月に引き上げた政策金利をそのまま維持することを全会一致で決定した。

発表された声明文は、はっきり言えば差し障りの無いものだ。一応変わった場所と言えばこのような箇所だろうか。

われわれは引き続き物価上昇の状況を観察する。

これは前回12月の声明文の一部であるが、これが以下のように変わった。

われわれは世界経済と金融市場の状況を注意深く観察(closely monitoring)し、それらの状況が労働市場と物価上昇にもたらす影響を精査している。

ちなみに今回の会合にイエレン議長の記者会見はない。声明文では年始からの世界同時株安への配慮を一応見せた格好だが、このような素人でも出来る文章の付け足しで2016年の市場の状況に対応できると考えているのだろうか? 個人的には結構失望している。

世界経済は長期の低成長トレンドと量的緩和バブルという2つの大きな爆弾を抱えている。片方は実体経済であり、もう片方は金融市場である。

長期の低成長トレンドについては詳しい記事をまだ書いていないが、近々纏めるつもりである。また、今回のFOMC会合では一応のところFedが市場を無視しないことの確認が取れたので、金価格にはプラスの材料である。