恐らくはその見方が妥当なのだろう。DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がMagnifiによるインタビューで、ロシアのウクライナ侵攻を受けて急騰しているエネルギー価格にコメントした。
原油価格高騰
原油価格が上昇している。まずはチャートを掲載しよう。
昨日はOPECが増産の姿勢を表明したため一時的に下がったが、恐らく一時的だろう。
この原油価格高騰はガソリン価格などを通して消費者の生活にのしかかっているが、価格上昇で困惑する人々に対してガンドラック氏は次のように言う。
現状のガソリン価格に不満を言っている人は何も見えていない。
1バレル200ドルだ。原油価格はそこまで上がるだろう。
200ドルと言えば現在の水準からほとんど倍である。
エネルギー価格上昇の理由
原油上昇の理由は、脱炭素政策で化石燃料が元々足りなかったところに、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁措置としてロシアの原油や天然ガスに禁輸措置が掛けられ始めているからである。
報道では意図的に隠されているので知らない人も多いと思うのだが、脱炭素政策とは積極的に再生可能エネルギーを使ってゆくだけの政策ではなく、原油関連企業への融資を禁止するなどして化石燃料の生産を意図的にストップさせる政策である。
上記のように経済学者のサマーズ氏やファンドマネージャーのダリオ氏など、経済に関する世界的エキスパートが政治的な人々が無理矢理推し進めた脱炭素を批判していたが、当然のようにそこにガンドラック氏も加わったようだ。
われわれは間違いなくエネルギー政策に関して酷い間違いをしている。化石燃料とともにある未来を嫌うことを決めたが、現状の膨大な化石燃料の使用を別のエネルギー資源に転換するためのプランを持ち合わせていない。
だから今のエネルギー不足が起こっており、将来のグリーンエナジーへの道に辿り着くためにより多くの化石燃料を必要とするという奇妙な転換に陥るだろう。
グリーンな人々は原油の生産を止めれば原油価格が高騰するという当たり前の事実に気付かなかったようである。そしてガンドラック氏によれば、彼らの行いは経済全体の崩壊に繋がりそうである。
歴史的には、オイルショックは需要崩壊を引き起こし、景気後退に繋がってきた。スタグフレーションという言葉がどんどん聞かれるようになってきている。
結論
ガンドラック氏の200ドルというターゲットは現在の価格から見ればかなり高いものに見える。リーマンショック時の高値が150ドル付近なので、それを軽く越えてゆくということである。
しかし小麦の記事でも書いたが、インフレ率が最大で5.5%だったリーマンショック前のコモディティバブルをインフレ率が7.5%でいまだ天井ではない現在の相場が軽く越えてゆかねばならないのは完全に理にかなっている。
だから筆者は以下の記事で年始からコモディティの買いを推奨していたのである。コモディティはここから更に上がる。
しかしそろそろ投資家としてだけではなく消費者としても本格的に物価高騰に備えるべきなのかもしれない。読者にもそれをお勧めする。人々は脱炭素政策から身を守らなければならない。
はっきり言って脱炭素政策支持者には税金をかけるべきだろう。何故無関係な人々が彼らのイデオロギーのために高いガソリン代や電気代を払わなければならないのか。それは彼らが自分で払うべきである。