米国時間で10月28日、Fed(連邦準備制度)は政策決定会合であるFOMC会合を開催し、政策金利の維持を決定した。
金利の維持に反対したのは前回と同じくリッチモンド連銀総裁のラッカー氏のみで、0.25%の利上げを主張した。
一方で、会合後に発表された声明では12月の利上げ可能性に言及し、「次回の会合で政策金利を引き上げるのが適切かどうかを決定するために、完全雇用と2%のインフレという目的への経済状況の進展を評価することになる」とした。
また、世界同時株安後の会合で取り入れられた、「最近の世界経済と金融市場で見られる動きが経済活動を抑制し、インフレに悪影響を及ぼす可能性がある」との声明を削除し、米国株の反発によって金融市場の不安が取り除かれたとの姿勢を見せた。
全体としてはややタカ派
経済活動についての説明もやや強気となっており、利上げを主張したのは前回同様ラッカー氏のみであったものの、全体的には比較的タカ派の結果だったと言えるだろう。
この記事で述べたように、今回の会合はFedの意図を推測する上で非常に重要な会合であり、少なくともFedは金融市場に無用なリップサービスをすることがないということは確認できたと思う。現時点で米国株も金も下落方向で反応している。
今後、各委員の個別のコメントなどでFedの意図がより詳細に説明されるだろうと思う。ここから12月までの流れが非常に重要となる。Fedの市場とのコミュニケーションに注目したい。