アメリカが現金給付による物価上昇で苦しんでいる時にまさかの現金給付を検討している日本の更に斜め上を行く国が世界には存在した。フランスである。
天然ガス高騰で苦しむヨーロッパ
そもそもヨーロッパはアメリカ以上にインフレが深刻である。その原因は現金給付ではなく、アメリカとは違って産油国でもないのに脱炭素政策を強行したために天然ガスの価格が世界でも飛び抜けて上がっており、日本よりも寒い冬をヨーロッパ人は暖房なしで過ごさなければならなくなるリスクを負っている。
ヨーロッパ人は世界でもっとも脱炭素政策を好む人々だから、自分で望んだことが実現しただけのことである。それでもこの状況をどうにかしたかったのか、フランスの首相であるジャン・カステックス氏は奇策を思いついた。現金給付である。
ここの読者ならば何を言っているのか全然分からないと思うが、フランスは本気である。インフレ対策で現金給付を行う。燃料価格が高騰しているのを申し訳なかったとして低所得者に100ユーロ(1万3,000円程度)を給付するらしい。
説明の必要はないと思うが一応説明しておくと、ものの価格は需要と供給で決まる。現金給付とはお金を配ることであり、お金を配れば需要が活性化されるため、ものの値段は上がる。アメリカでは現に現金給付によって物価がかなり上昇している。
天才的なフランス
フランス人のやることは常に意味が分からない。「寛容さ」の精神から「かわいそうな」イスラム系の移民を呼び寄せておきながら、国内でのブルカ着用(何の害があるのだろうか?)を禁止したり、しかもコロナ後はその「顔を覆うもの」禁止法にマスクの着用が抵触したり、イスラム教の教祖ムハンマドの下らない風刺画を描いた新聞社を擁護したマクロン大統領は、自分をヒトラーになぞらえた風刺画を描いた人物を裁判所に訴えた。
そして今度はインフレ対策で現金給付である。まさに天才の所業ではないか。フランス人の考えることだから、きっとインフレ問題は解決するだろう。楽しみに見ておこう。
結論
いつものことである。移民政策の時もそうだった。愚かな行いはヨーロッパ大陸から始まり、ヨーロッパ人はそれを世界に押し付け、その後でそれが愚かだったことが世界に知れ渡る。この流れはもはや恒例行事となってきた。
選挙前の日本の読者にもう一度聞きたい。本当に現金給付が欲しいだろうか?