10月4日の香港の株式市場で倒産の危機にある不動産ディベロッパー、恒大集団の株式が取引停止になった。はっきり言うが、中国のこの対応は問題が深刻なものだと自分で白状するようなものである。
恒大集団取引停止
恒大集団の株式は突如取引停止となり、香港証券取引所はその理由を説明していない。恒大集団の株価はこれまで次のように推移していた。
ここに来ての取引停止である。
恒大集団の問題についてはここで散々書いてきているので、繰り返すことはしない。マクロ経済学者ラリー・サマーズ氏の記事が一番分かりやすいだろう。
恒大集団の問題を書き始めてからしばらくになる。ここでは一番最初に恒大集団関連銘柄の空売りを勧めているが、その記事では恒大集団自体の空売りは推奨に含めなかった。
元々かなり下がっていた恒大集団を売るよりもこれから下がる他の銘柄を売る方が良いということもあったが、これだけ大きな問題の渦中の会社には取引停止を含めた不測の事態が起こり得るからである。
取引停止の意味するもの
中国は問題の起こった企業の株価がこれ以上下がらないようにするために一番確実な方法を選んだ。取引停止である。
この選択は功を奏するだろうか? この状況で思い出されるのは、最初にこの問題を公に指摘した投資家ジョージ・ソロス氏が言っていた次の言葉である。
習氏は金融市場がどう動くかを理解していない。
彼の予言通り、共産主義を標榜する中国政府は金融市場を全く理解していないようだ。投資家ならば取引停止は状況をより悪化させるということがすぐに分かるだろう。
中国市場では問題のある銘柄は取引停止になる。投資家たちがそれを認識すればどうなるか? 保有する危うい銘柄を取引停止になる前に売ってしまおうと考えるのが当然のことである。
恒大集団の取引停止によって中国売りは更に加速することになるだろう。繰り返しになるが、投資家がどう対処すべきかについてはこの問題が大きなニュースになる前に既に書き終えているので、その記事を参考にしてもらいたい。