ガンドラック氏: あなたの税金がタリバンの兵器に

債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏がアフガニスタンの状況について面白いツイートをしている。

読者も知っての通り、8月15日アフガニスタンの武装勢力タリバンがアフガニスタンの支配を確立した。

アメリカがアフガニスタンから撤退してからこれほどまで早くタリバンが首都カブールを掌握できた秘密については以下の記事に書いた。

この記事に書いたこの事件の本質もニュースではほとんど報道されない重要な観点である。しかし大手メディアが報じないこの事件の本質はまだまだある。例えば、アフガニスタン軍に与えられていた米軍の最新鋭の兵器はどうなったのかということである。

最新鋭兵器の行方

繰り返しになるが、アフガニスタン軍はタリバンよりも優れた兵器を米軍から与えられていた。兵力もタリバンより多いはずだった。

しかし彼らはタリバンが攻めてくると戦うよりも逃げ出すことを選んだ。真っ先に逃げたのはガニー大統領だった。

しかしアフガニスタン軍が米軍から与えられていた兵器はどうなったのだろうか。これについてはホワイトハウスのジェイク・サリヴァン大統領補佐官が答えてくれる。彼はこう言っている。

勿論、われわれは防衛兵器の1つ1つが何処に消えたのかという情報を持っているわけではない。しかしかなりの量がタリバンの手に落ちたことは確かだ。

そして明らかに、タリバンがそれを空港にいるわれわれのところにしっかり返却してくれることは期待できないだろう。

当たり前である。

このことについて億万長者でもあり巨額の納税者ガンドラック氏が激怒のツイートをしている。

この件で一番頭がおかしいのはタリバンが再軍備されたということだ。バイデンが自分自身で1週間前に言ったように、世界最高の軍備によってだ。あなたの税金は確かに生きている。

最後の台詞に皮肉が利いている。

撤退という難しい任務

結局税金を払っても東京オリンピックやタリバンの兵器に使われるのである。どちらがより悪いかは難しいところだろう。

以前の記事でも述べたが、米軍がアフガニスタンから手を引いたこと自体は歓迎すべきことだろう。それを決めたのはドナルド・トランプ前大統領である。バイデン大統領は政権奪取の時点で既に決められていた撤退を実行したに過ぎない。

しかし大規模に展開されている軍の撤回というのはデリケートで困難な任務である。トランプ氏はそれを見越して準備をしていた。現在、アフガニスタンには米軍とタリバンが同居しているが、米軍を見かければ容赦なく攻撃を浴びせていたタリバンが大人しくしているのは何故か?

メディアがそれを疑問に思わなくとも国民はそれを疑問に思わなければならない。そこには何か真実がある。これについてはバイデン氏が答えてくれる。

「2,500人も兵士が居てよく何も起きませんね。そんな戦争はこれまでなかったのではないですか」と良く言われる。

その理由は前大統領が1年前に行なった交渉で、5月1日(訳注:バイデン氏がその後延期した)までに撤退する代わりに米軍には攻撃しないという約定のものだ。これは守られた。従って何も発生しない。

タリバンがアフガニスタンを制圧した状況で米軍が普通に撤退を続けられている状況は普通ではないのである。

その交渉をしたトランプ氏が現在の状況をどう見ているかと言えば、ガンドラック氏と同じように烈火のごとく怒っている。

何十億だ。最新鋭ヘリのブラックホークなど何十億もの兵器があり、今後ロシアがそれを研究し、中国もそれを研究し、誰でもそれを研究できるようになる。

あなたの税金が生きている。

結論

トランプ氏についてはコロナを甘く見て大統領選挙に敗北して以来、あまり取り上げなかった。しかしバイデン大統領の支持層が同時に強く支持しているコロナワクチンがこの速度で完成したのもそもそもトランプ氏の功績である。

対外政策についてはトランプ氏は大統領となる前にアメリカは他国の政権転覆を止めると言っていた。

そしてそれをある程度果たしたと言うべきだろう。大手メディアを通して見る世界とどれほど遠いことだろうか。