長期金利が低下し株式市場が世界的にぱっとしない中、長らく低迷していたハイテク株の上昇が続いている。
コロナ相場とハイテク株
コロナ相場で一番最初に上昇したのはハイテク株だった。世界的なロックダウンと現金給付が同時に行われる中、Amazon.comなど家の中でも消費できる銘柄が真っ先に上がった。しかし昨年前半に一旦上昇した後は横ばいを続けており、特にインフレが懸念され始めた今年前半の相場では苦しい状況が続いていた。
しかし状況は変わった。債券投資家のスコット・マイナード氏の予想が的中し、上昇していた長期金利の急落が始まっているからである。
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長期金利と株式セクター
株式市場は全体としては大きな動きのないように見えるが、ハイテク株にとってはそうではない。長期金利の影響を大きく受けるハイテク株にとっては、インフレ懸念後退で金利が低下するのは恵みの雨だからである。そこで月始めの記事ではインフレの短期要因剥落について次のように書いておいた。
現在のハイテク株好調、銀行保険株軟調相場はいつまで続くだろうか?
3月に行われた3度目の現金給付の影響などの短期要因は今後数ヶ月かけて更に剥落してゆくだろう。だからこのディスインフレ相場は数ヶ月ほど続く可能性が高い。
それでハイテク株の値動きがどうなったかと言えば、例えば以下は長らく横ばいになっていたAmazon.comのチャートである。
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ついに息を吹き返した。
ハイテク株の中でも元々好調だったGoogleの親会社Alphabetは最近の金利低下で更に大きく上がった。
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Microsoftのチャートも以下の通りである。
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ハイテク株に逆風が吹いている間もハイテク株を擁護し続けたスタンレー・ドラッケンミラー氏がようやく報われたということだろう。
結論
現在のハイテク株高騰は債券相場の動向を考えれば当然の結果である。また、金利低下の影響を受けているのはハイテク株だけではない。全体的に金利が下がれば、下げ幅の大きい高金利通貨が下がり、低金利通貨が上がることになる。
以下の記事ではドル円やユーロスイスフランの売りをポートフォリオに加えることを提案しておいたが、特にユーロスイスフランの方はやはり徐々に下がりつつある。
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今のような過渡期の相場ではこのように相対的に有利になるセクターを選んで地道に利益を重ねてゆくほかない。しかし遠からず市場には大きな動きがあるだろう。それまでの我慢である。