アメリカの長期金利低下予想を的中させたスコット・マイナード氏は、Twitterで金利低下はここから減速するだろうとの見方を示していたが、その後のCNBCのインタビューでそれを撤回、長期金利はやはり下がり続けると主張した。
長期金利は下がり続けるのか?
インタビューの主な論点はやはり金利である。金利下落予想を的中させたマイナード氏のインタビューだから当然だろう。そこでマイナード氏はTwitterで呟いた金利予想を次のように撤回している。
今朝、長期金利の長期的な見通しについて再考すべきだというツイートをしたが、この部屋に入ってくる前にチャートを再検討した結果、金利は1%に下落するまでそれほど大きな抵抗がないことが分かった。
アメリカの長期金利はここ数日で急落し、1.3%を一時下回った。長期金利のチャートは以下の通りである。
しかしマイナード氏によればこれは序章に過ぎないという。彼は次のように続ける。
そして1%への下落もそれほど重要ではない。金利がそれ以上下がらない支持線は存在するが、それほど強固でもないため、テクニカル的には前回の底値である0.65%に向かいそうだ。
ツイートに比べてかなり金利低下に寄せた予想となっている。
マイナード氏のファンダメンタルズ分析
マイナード氏が金利低下を予想する理由はテクニカル要因だけではない。彼は実体経済についても懸念している。
あるアナリストが企業のトップから電話で「これ以上ない好景気」だと言われた時に売り推奨のレポートを書いた時の話を持ち出して次のように言う。
もし「これ以上ない好景気」なのであれば、景気はそこから減速するしかない。
現在金利が低下している原因の1つは材料出尽くしだろう。これまでインフレと経済成長を支えてきた現金給付というドライバーは今のところ打ち止めとなっている。バイデン政権はそのための予算を当分用意することが出来ないだろう。次のチャンスは来年末の議会選挙だろうか。
ここ最近の金利低下は現金給付を頼みに金利上昇に賭けて国債を空売りしてきた投資家が踏み上げられている側面もある。現金給付が打ち止めになり、パーティから酒が下げられているにもかかわらず踊り続けていた人々が踏み上げられたのである。
また、CNBCのキャスターは筆者と同じく「金利低下は株式にプラスではないか」との質問をマイナード氏に投げかけている。マイナード氏はその議論を認めた上で、16%から18%の調整が来るのが先だとこれまでの株安予想を繰り返している。
マイナード氏の株安予想については、今回のインタビューでは以下の記事で既に報じたことを繰り返しているだけなので、そちらを参考にしてもらいたい。