アメリカにおけるインフレ懸念で金属や穀物などのコモディティ価格が上昇しているが、その代表格であるはずの金相場はコロナ後に一度上昇した後低迷していた。
低迷する経済・低い金利という状況下で価格が上がりやすいゴールドに対して、現在の相場が経済回復・高金利の相場になりつつあったからである。
また、物価高騰で手持ちのドルが減価することを避けるための資金逃避の手段としてゴールドは長年使われてきたが、その需要がビットコインなどの暗号通貨に奪われているという指摘がソロスファンドから提示されている。以下の記事で報じている。
しかし金相場の低迷は続かないと主張した著名投資家がいる。債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏である。
ガンドラック氏の金価格予想
彼は3月の前半に金相場について次のように主張していた。
ゴールドは反発する可能性が高い。これまでかなり激しく売られたからだ。
そしてその後金価格はどうなったか? そのチャートがこちらである。
見事に3月を底値に再上昇している。ガンドラック氏は金価格の底値について何と言っていたか?
ゴールドは月曜の引けに1,681ドルまで下落した。しばらくの間これが金価格の底値になるかもしれない。
見事に大当たりである。ガンドラック氏の予想は優れたものが多いが、時おり短期的なタイミングでも大当たりを出すことがあり本当に驚かされる。
金価格再上昇の理由
では何故金相場はこのタイミングで再上昇したのだろうか? 理由はやはり金利の推移だろう。アメリカの長期金利は次のように推移している。
金価格が底を打った3月に長期金利が下落を始めていることが分かる。そのため金利上昇を懸念して売られていたゴールドに資金が戻ってきたのである。債券の専門家であるガンドラック氏がこれを予想出来たのも納得だろう。
今後の推移予想
金相場は今後どうなるだろうか。以前にも書いたが、金属や穀物などのコモディティ価格全般が高騰する中でゴールドだけが低迷することは考えづらい。
一方で以下の記事に書いた通り、現金給付で無理矢理作り出した経済成長であっても金融市場には関係がない。
よって今後も相場は経済回復相場となるだろう。インフレ懸念で金価格も上がるだろうが、今後も金以外のコモディティの方が相対的にはパフォーマンスが良くなるのではないかと筆者は予想している。個人投資家でも投資できるコモディティの種類については以下の記事に纏めておいたので参考にしてもらいたい。
また、今回予想を大当たりさせたガンドラック氏は株式市場に悲観的なコメントを残している。以下の記事で報じているが、こちらは当たるだろうか。楽しみに待ちたいものである。