ついに国民投票が決定したギリシャの債務問題について、ジャナス・キャピタルのTwitterアカウントより著名債券投資家ビル・グロス氏が何度か発言しているので、以下にまとめたい。
また、ギリシャ問題については以下の記事も参考にしてほしい。
ギリシャは多くの途上国にとって「炭鉱のカナリア」である。すなわち、年金、返済不可能な債務、緊縮財政などの悪環境で何処まで生きられるかを試す良い試金石である。
緊縮財政は債務危機を未然に防ぐものであって、既に起こってしまった危機を解決するものではない。誰かメルケルに教えてやれ。
ギリシャ問題は数週間 or 数ヶ月 or 数年棚上げされる。3つの期間のうちどれを選ぶかによって、ポートフォリオ・マネージャーが成功か凡庸な結果のどちらを手に入れるかが決まる。今のところ、自分は数ヶ月に賭けている。
これは6月22日の発言であり、債権団の提案は11月までの資金繰りの支援であったから、当たっていると言える。しかしツィプラス首相はこれを受け容れず、国民投票の道を選んだ。
米国企業の利益率は高い賃金、高い金利、高いドルによって侵食されている。ギリシャ問題が解決しても米国株は行き詰まる。
ギリシャが手にするのは緊縮か、それともドイツからの第二次世界大戦の戦時賠償か? 双方が異なる視点を持っている。今のオッズは60:40である。
ギリシャ政府は債務問題に対処するためにドイツに第二次世界大戦時の賠償金を求めた。ギリシャ政府のこういう姿勢は債権団との交渉を難航させた。
緊縮財政は債務危機に先んずるべきものであり、後追いするべきものではない。ケインズは間違いなく同意するだろう。メルケルは、当然同意しないだろう。