2015年6月25日、半導体製造メーカーのMicron Technology (NASDAQ:MU)は決算を発表した。売上高は$3,853MM、純利益は$491MM、一株当たり純利益は$0.46となり、市場予想の売上高3,900MM、一株当たり純利益$0.57を下回った。
事前より指摘されていたPCセクターの需要減が重しとなった。速報なので要点だけ説明するが、縮小されるべきセクターが縮小され、伸びるべきセクターが伸びるという、Micronの長期的な運命を象徴する決算であった。
縮小すべきセクター、成長すべきセクター
PCセクターに望みがないということは分かりきっている。将来が明るいのは、モバイルとSSDである。先進国では飽和しているモバイル需要は、世界の経済成長にもよるが、途上国ではまだまだ伸びるはずだ。
また、SSDは5年ほどでHDDをほとんどすべて置き換えてしまうだろう。投資家にとっての問題は、将来のないセクターが完全に過去のものになるまでの期間、成長中のセクターが代わりの利益を提供できるかという短期的な問題なのである。
悪い決算のなかでも伸びているモバイル
モバイルだけに絞ってみれば、前年同期比で売上高が$757MMから$938MM、営業利益が$135MMから$296MMと大幅に成長している。ただ、このセクターがMicronの売上を引っ張ってゆくほどまで成長するには時間がかかる。
この決算で一番の問題は、利益を押し下げたPCセクターではなく、SSDなどのストレージ部門の結果が悪かったことである。この点については掘り下げる必要がある。
投資家にとっての吉報は、望みのないセクターは売上高が減少するにしたがって、Micron全体の決算への影響力が減り、逆に成長セクターは会社をリードする部門へと成長してゆくということである。
今回、モバイルとストレージの合計がついにコンピュータ・ネットワーク部門の売上高を上回った。Micron復活の時は来ているが、しかし時間がかかるということである。