新型コロナウィルスの流行は止められないようである。日本でも緊急事態宣言が終わってからそれほど時間が経っていないが再流行が始まっており、アメリカでもロックダウンを解除した矢先に新規感染が増え始めた。特にここ1週間の増加数は目を見張るものがある。
日本と米国で流行拡大
いつものように直近の感染者数のデータを掲載する。先ずは日本からである。
- 6月25日: 18,110人 (+86 +0.5%)
- 6月26日: 18,197人 (+87 +0.5%)
- 6月27日: 18,297人 (+100 +0.5%)
- 6月28日: 18,390人 (+93 +0.5%)
- 6月29日: 18,476人 (+86 +0.5%)
- 6月30日: 18,593人 (+117 +0.6%)
- 7月1日: 18,723人 (+130 +0.7%)
- 7月2日: 18,874人 (+151 +0.8%)
- 7月3日: 19,068人 (+194 +1.0%)
- 7月4日: 19,282人 (+214 +1.1%)
数字は順に累計感染者数、新規感染者数、新規増加率である。日本の読者は知っての通りだと思われるが、直近1週間ほどで急増し、新規感染者数は遂に200人の大台に到達した。
日本における流行急増については「第2波開始」という言葉をはっきり使って先週末に報じてある。
この記事の時点では新規感染者数はまだ100人であり、この段階で第2波と言えるのかという声もあったが、明らかに第2波と呼べる状況になる前に第2波かどうかが分からなければ投資家としてはやっていけない。
そして同じことがアメリカでも起こっているようである。アメリカでの感染者数の推移は次のようになっている。
- 6月25日: 2,378,764人 (+38,853 +1.7%)
- 6月26日: 2,423,490人 (+44,726 +1.9%)
- 6月27日: 2,467,071人 (+43,581 +1.8%)
- 6月28日: 2,507,762人 (+40,691 +1.6%)
- 6月29日: 2,544,152人 (+36,390 +1.5%)
- 6月30日: 2,588,017人 (+43,865 +1.7%)
- 7月1日: 2,640,626人 (+52,609 +2.0%)
- 7月2日: 2,695,495人 (+54,869 +2.1%)
- 7月3日: 2,752,704人 (+57,209 +2.1%)
- 7月4日: 2,803,149人 (+50,445 +1.8%)
1日あたりの増加数が5万人の大台に乗っており、累計感染者数で世界首位のアメリカでは他国の追随を許さない勢いで流行が拡大している。アメリカではそもそもロックダウンを解除した段階で何も終わってはいなかったのである。
結論
状況は数ヶ月前から何も変わっていないので簡潔に書いておこう。
先ず、コロナは恐らく収まらない。ロックダウンをすれば流行は縮小するだろうが、解除すればまた広がる。従ってコロナを収めたければ経済を半永久的に停止するほかないということになってしまう。
これまではロックダウンを適切な手段とみなしていた先進国もロックダウンを諦めるだろう。皮肉なことに、新型コロナを「ちょっとした風邪」と呼び、ロックダウンに反対して世界中からバッシングを受けたブラジルのボルソナロ大統領の決定に先進国が従い始めることになる。
ここから先は「コロナのある世界」である。人はそれほど出歩かなくなり、レストランや映画館、遊園地などは恒常的な売上減少に見舞われる。経済的には、この巨大なトレンドはまだ始まったばかりであるということをここでは何度も繰り返している。
株式市場は4月のロックダウンの効果さえまだ織り込んでいないが、これから数年かけてこの巨大なトレンドを織り込んでゆくことになる。まだ誰も理解していないことを、市場がどうして織り込めるだろうか。市場は万能などではないのである。