Starbucksの株価が店舗閉鎖で急落 コロナ業績相場の幕開け

アメリカのコーヒーチェーン大手のStarbucksの株価が急落している。新型コロナの影響で客足が減ったことにより、今後18ヶ月北米で最大400店舗を閉鎖することを発表したことが響いている。

業績が反映され始める

まずはStarbucksの株価チャートを掲載しよう。

新型コロナによる下落前の2月の水準まで戻りかけたところで叩き落された。そもそもコーヒーチェーンというのは銀行株や航空株と同じく新型コロナの直撃を受けた銘柄であり、しかもアメリカでは新型コロナの感染者はいまだ1日当たり2万人の規模で増え続けている。

ムニューチン財務長官は2度目のロックダウンはできないと主張しているが、ロックダウンできなくとも感染が広がればレストランからは客足は遠のく。

Starbucksの業績はどうなっているかと言えば、幸か不幸か1月から3月までの業績しかまだ発表されていない。次の四半期は6月末に終わるので、すべての企業がそうである。しかしその3月までの3ヶ月についてもStarbucksの売上高は56億ドルから48億ドルに減少している。

多くの先進国でロックダウンがピークだったのは4月なので、その分の数字はこの減少に含まれていない。その発表があるのは来月である。実際に数字が発表されるまでは、市場は夢を見ていられるということである。いや、そのはずだった。Starbucksが北米で400店舗を閉鎖すると発表しなければ、あと1ヶ月だけ市場は夢を見ることは出来ただろう。

結論

このStarbacksの株価推移は象徴的である。7月になれば多くの企業が同じような発表を始めることになる。これまでは経済の現実に目を背けていられた投資家もその数字を無視できなくなる。そうして個別株ベースでの株価修正が進み、それが株価全体を引きずり始める日が来る。

だからバブルを目にした時には、その中身を精査することが重要なのである。中身をしっかり見れば、それがどういうバブルなのか、どのくらい続くことのできるバブルなのかがはっきりと分かる。コロナがまったく収まっていないブラジルの、しかも銀行株まで上がり始めたことは以前の記事に書いておいた。

前回の記事の最後の部分をもう一度繰り返そう。

あと数カ月もすれば誰もが「あれは絶好の売り場だった」「あれは明らかにバブルだった」と言い始める。

しかしそれを事前に指摘する人はいない。結論を出すための情報は今既に存在しているにもかかわらずである。

投資は何も難しいことではない。高度な専門知識や特殊な技能が必要なわけでもない。多くの人は、誰もバブルをバブルだと言わないときにそれを主張する勇気を持っていないだけなのである。