米国株指数S&P 500の空売りを開始する。
株式空売り
理由については以下の記事に書いた通りである。
S&P 500は次のように推移している。
そして株式の買いとともに3月末に始めた原油の買いを砂糖の買いに全額移行することにする。理由は上記の記事で予想したこれからの景気後退を金融市場は十分に織り込んでおらず、砂糖は原油と比べて景気後退時にも需要が減りにくいからである。
何故砂糖の買いが原油の買いの代わりになるのかについては以下の記事で説明している。
ちなみに原油先物は20日の取引で取引終了直前の5月限のものがマイナスになるという珍事が発生している。トレーダーは直近の期限のものを取引する場合でも通常直前になる前に次の期限のものに乗り換えるので、直前には実際に翌月に原油を受け渡しする業者が主な参加者となるが、原油を保管する貯蔵タンクが枯渇し始めたことで原油の押し付け合いが発生したのである。
6月限以降のものはまともに取引されているが、5月限と6月限をつなぎ合わせたチャートが意味をなさないため原油ETFのチャートを掲載する。
一方で砂糖価格は次のように動いている。砂糖はETFとしてはNYSEARCA:CANEなどが存在している。
この買い替えは明らかにタイミングが遅かった。しかし前回の記事で説明した状況には経済活動にしか使われない原油よりも砂糖の方が相応しいだろう。元々砂糖を買っていれば防げた原油取引によるマイナスを抱えたまま砂糖の買いを開始することになるが、投資においてはこれまでどういう経緯でポジションを作ったかにとらわれずにその時に最善のポートフォリオを組むことを躊躇するべきではないのである。
5月にはアメリカやヨーロッパでロックダウン解除が始まり、飛行機が飛び始めるだろう。原油価格は今が需要低下のピークであり、原油が底打ちすれば砂糖も底打ちする。しかしここから1年がどういう1年になるかを考えれば、砂糖の保有の方がパフォーマンスが良くなるはずである。
一方で株式市場は原油とは別世界である。
何も問題など無かったように反発している。原油と砂糖が下がったまま株式市場だけ反発するシナリオはない。自動車が走らず飛行機が飛ばなければ企業活動の回復もない。したがってどちらかが間違っているのである。株価が今どういう水準にあるのか、前回の記事を読めば一目瞭然となるだろう。