新型コロナ感染者数、アメリカでもピーク近づく 株安相場の終焉か

金融市場でも長らく話題の中心となってきた中国武漢発の新型コロナウィルス肺炎だが、ついにアメリカでも感染縮小が近づいている。ヨーロッパではイタリアが既にピークに達していることは報じた通りである。

アメリカとヨーロッパがともに流行ピークとなると、株式市場としては下げの理由が完全になくなるだろう。

アメリカの感染者数

ではいつも通りデータを見ていこう。アメリカにおける直近10日間の感染者数の推移(累計、増加数、増加率)は次のようになっている。

  • 3月28日: 121,105人 (+20,102 +20%)
  • 3月29日: 140,223人 (+19,118 +16%)
  • 3月30日: 160,686人 (+20,443 +15%)
  • 3月31日: 186,082人 (+25,396 +16%)
  • 4月1日: 212,814人 (+26,732 +14%)
  • 4月2日: 241,626人 (+28,812 +14%)
  • 4月3日: 273,808人 (+32,182 +13%)
  • 4月4日: 307,876人 (+34,068 +12%)
  • 4月5日: 333,593人 (+25,717 +8.4%)
  • 4月6日: 362,955人 (+29,362 +8.8%)

毎日の増加率は完全に下落傾向にあり、増加数も恐らく3万人台でピークに達したのではないか。

イタリアの記事でも説明した通り、まず増加率が下落し、その次に増加数が減少に転じ、そして最後に回復者数が増加数を上回ってピークを迎える。しかし実際には増加数がピークに達した時点で山を超えたと言って良いだろう。3月末から言い続けてきたことだが、金融市場もそれを織り込んで動き始める。

ヨーロッパの感染者数

ヨーロッパではどうなっているかと言えば、ヨーロッパはアメリカよりも流行開始が早かったので回復も早い。ヨーロッパでの流行の震源地となったイタリアは既にピークに達しているので掲載を省略する。

以下はドイツにおける感染者数の推移である。

  • 3月29日: 52,547人 (+,3965 +8.2%)
  • 3月30日: 57,298人 (+4,651 +9.0%)
  • 3月31日: 61,913人 (+4,615 +8.1%)
  • 4月1日: 67,366人 (+5,453 +8.8%)
  • 4月2日: 73,522人 (+6,156 +9.1%)
  • 4月3日: 79,696人 (+6,174 +8.4%)
  • 4月4日: 85,778人 (+6,082 +7.7%)
  • 4月5日: 91,714人 (+5,936 +6.9%)
  • 4月6日: 95,391人 (+3,577 +4.0%)
  • 4月7日: 99,225人 (+3,834 +4.0%)

こちらも増加数がピークに達していると言って良いだろう。イタリアのように公式にピーク到達が発表されるのも近いはずである。

金融市場

しかしながら金融市場は公式なピーク宣言を待ってから上がってくれるはずがない。ここで増加数のピークをピークと見なしているのはそれが理由である。株式市場の中心地である米国市場では株価は上記の状況を織り込んだ動きをしている。

この状況を見越してここでは3月から株を買い始めるべきだと主張してきた。

買いのタイミングは特に暴落した原油の底値買いで大成功したが、株式でも同じことである。

株式銘柄については以下の記事で取り上げている。今でも安いものもあるが、状況が明らかに改善する前に勇気を出して買いに行った投資家ほど安値では買えないのは当然だろう。

結論

買いそびれた投資家にとっては押し目が欲しい状況だろうが、感染者数のデータが既に改善した状況で株価がもう一度下落するかどうかは分からない。ガンドラック氏などはそちらに賭けているようだが。

様々な懸念から底値を買いに行けなかった投資家も多いかもしれない。個人投資家に限らず、同業者にこの状況で株は買いだと話しても慎重な姿勢が多かったのも事実である。(金融業界の人間の大半は相場のことなど何も分かっていない。)

しかし厳しいようだが、誰もが買っている状況で空売りし、誰もが売っている状況で買えなければ投資家としては決して儲けることが出来ない。逆に2月にわたしが国内感染の拡大を警告したとき、その悲観を深刻に取る人は少なかった。以下の記事にはこう書いている。

残念ながら、日本における新型コロナウィルス肺炎の流行はこれからが本番である。以前書いた通り、これまで明らかになっている以上の潜在的な感染者がそもそも国内に存在しているはずである。

今となっては当たり前のことしか書いていないが、この時まだ株価は大して下がっていなかったのである。この記事を書いた2月17日から日経平均がどうなったかは明らかだろう。

わたしが悲観的な時に多くの人は楽観的であり、わたしが楽観的だったここ1週間ほどは多くの人は悲観的だった。

しかし相場はそういうものなのである。未だにウィルスの流行改善で株価上昇シナリオが信じられない人は以下の記事を熟読してほしい。

これからも相場の動向を事前に伝えてゆくので楽しみにしてほしい。