7月26日FOMC会合がタカ派声明となるべき理由

米国時間7月26日、アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)は金融政策決定会合であるFOMC会合の結果を発表する。

今回の会合の基本的な見方については既に記事にしている。

ただ、今回の記事では会合の結果が恐らくタカ派(つまり金利高、ドル高)寄りのものになるだろうという筆者の予想について、端的に書いておきたい。

タカ派の結果を予想する理由は二つある。

第一に、イエレン議長は恐らく自分の任期終了までにバランスシート縮小プログラムを開始してしまいたいと思っており、それを真剣に受け取っていない市場に真剣に受け取らせる必要がある。

そして、一度タカ派に出ても経済などに不調が見られる場合ハト派に戻るのは容易いが、ハト派に出てからタカ派に転じるのは、市場を動揺させてしまう可能性があるという点で難しい。だから、後でどちらにも変えられるフリーハンドにするためには、中央銀行としては現状ではタカ派で出る以外に選択肢がない。

第二に、もうすぐ発表される4-6月期のアメリカGDP速報値は、好調とは言えないながらもFedの金融引き締めを阻害するほどの悪い数字とはならない可能性が高い。月次で発表されている個人消費(5月分まで)は以下のようになっている。

最後の4月と5月は確かに減速が見られるが、直ちに金融引き締めにブレーキを掛けるような減速にはなっていない。GDPの他の構成要素である企業投資も、原油価格の好調ぶりから同じような結果になるだろう。

ということで、市場でドル売りをしている投資家はもう少し警戒したほうが良いのではないか。前回の記事でもその旨を書いたが、その頃からドルは多少上昇している。

海外勢から完全に、そして正当に無視されている日銀とは違い、Fedは金融引き締めを行おうと思えばそれを行うことが出来る。今の市場の動きはゲームの胴元を少し甘く見すぎではないか。ビル・グロス氏の言葉を思い出したい。

Fedは発表されているドットプロット(訳注:今後の利上げ目標を描いたチャート)に沿って利上げを行うことは出来ないし、国債を放流することも出来ないだろう。しかしそれが彼らの計画だとあくまで主張しているのだから、市場はそれに気を配るべきなのだろう。