トランプ政権の関税によって株価が急落しているが、ドナルド・トランプ大統領が株価急落に対してコメントしているので紹介したい。
米国株下落
久々の株価急落である。コロナ後にバイデン政権が大量の資金をばらまいたため、米国株は何年もこれほどの下落を経験していなかった。
S&P 500のチャートは次のようになっている。

トランプ大統領は当初、この株安についてほとんど反応を示さなかった。前回のトランプ政権では株価を重視したこととは対照的である。
ドーン・フィッツパトリック氏は、1ヶ月前の時点でそれを予想していた。彼女は次のように言っていた。
投資家たちが過小評価しているのは、前回のトランプ政権ではトランプ氏は株価を気にしていると誰もが思っていたし、それは事実だったが、スコットが財務長官の今は株価下落への耐性が前回とは違うということだ。
彼女は財務長官のスコット・ベッセント氏がかつて運用していたSoros Fund Managementの現CEOである。彼女はトランプ政権がある程度の株安を許容すると事前に読んでいた。
株価下落の理由
何故トランプ政権は株価の下落を許容しなければならなかったか。トランプ大統領は、直近のインタビューで次のように言っている。
アメリカ経済という患者は重病だった。われわれはそれをバイデン政権から受け継いだ。
だから患者は手術をすることになった。
恐らく金融の専門家ではない大半の人には何を言っているのか分からないだろう。
だが2025年に入り、世界的なヘッジファンドマネージャーたちが口を揃えて警告していたことがある。コロナ後の金利上昇により、アメリカの莫大な政府債務に多額の利払いが生じていることである。
だから、多くの人は知らなかっただろうが、ベッセント財務長官という世界的なヘッジファンドマネージャーを有するトランプ政権では、金利をこれ以上上げるわけには行かなかったのである。
結果として、トランプ政権は減税などの株価の上がる政策よりも、イーロン・マスク氏のDOGE(政府効率化省)や関税などの、政府の財政を重視する政策を優先した。
その結果、株安を許容したこともあって、怪我の功名でアメリカの長期金利は3%台まで下落している。

仮にトランプ政権が経済を過熱させる政策を取っていたら、このチャートは上がり、米国債の利払い増加は加速していただろう。
トランプ政権は何処まで株安を許容するか
だから、ここでは事前に説明していたが、トランプ政権は意図的に株安を許容することで金利を押し下げる方針を取っていた。
金利低下のためには多少の株安も許容するだろうというのが、Soros Fund Managementにおけるベッセント財務長官の後任であるフィッツパトリック氏の読みなのである。
さて、問題はトランプ政権がいつまで株安を許容するかである。もう一度S&P 500のチャートを掲載すると、米国株は天井から20%弱下落していることになる。

このタイミングでトランプ大統領は次のコメントを出した。
手術は終わった。状況を落ち着けるべき時だ。
6、7兆ドルの資金がアメリカに流れ込んで来る。
市場は上昇する。株価は上昇する。アメリカは良くなる。他の国々はディールを成立させる方法があるかどうか探し始めるだろう。
これがそのまま転換点になると主張しているのではないが、これまで株価の下落を気に留めない素振りを見せていたトランプ大統領が態度を変化させている。
これまでの株安がトランプ政権が意図的に許容していたものであるという見方を支持するならば、トランプ大統領の態度がこれからどう変わってゆくかは注目に値する。そしてこれは少なくとも最初の姿勢転換である。