引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のCNBCによるインタビューである。今回は金相場と暗号通貨について語っている部分を紹介したい。
ドルからの資金逃避
ゴールドとビットコインはともに今年大きく上がり、投資家からの注目を集める銘柄である。
まずガンドラック氏はゴールドとビットコインの違いについて次のように述べている。
ビットコインはゴールドを20倍以上のレバレッジで保有するようなものだ。ゴールドが大幅に上昇したのでビットコインはそれ以上に上昇した。特に大統領選挙の後だ。
何故ゴールドとビットコインは同じように上がったのか。ガンドラック氏は次のように説明している。
ゴールドとビットコインの上昇は、先進国の財務状況に対する懐疑が吹き荒れる前触れだと考えている。
アメリカでは、コロナ後の政府債務の急増と金利の上昇により、米国債の利払い費用が急増している。
グラフを見れば分かるが本当に急増している。これが紙幣印刷やインフレで解決されるのではないかという懸念から、人々はドルから逃げているのである。
ゴールドとビットコインの相場動向
だが短期的には、ゴールドもビットコインもFOMC会合で株価と一緒に下落した。金価格のチャートは次のようになっている。
ビットコイン価格は次のように推移している。
FOMCのことがなくても両方とも今月は多少足踏みしているだろうか。
今後の動向予想
ではこれからどうなるのか。ガンドラック氏は次のように予想している。
今日の下落でいくらか後退したかもしれないが、ゴールドとビットコインへの資金流入は恐らくこれからも増加を続けるだろう。
経済、中央銀行、インフレ、失業などのすべての不確実性を受けて、人々はそれらを投機の手段というよりは富の貯蔵の手段だと考え始めている。そして問題から距離を取る方法が探されている。
債券投資家であるガンドラック氏が持っているのはゴールドの方である。実質金利とインフレ率で価格が綺麗に決まる債券の世界に住んでいるガンドラック氏には、ビットコインは暴れ馬過ぎるだろう。恐らくレイ・ダリオ氏と同じ意見だと思われる。
ガンドラック氏はゴールドの保有について次のように言っている。
ゴールドはそのまま保有を続けている。価格は高い。ドルの上昇や利下げ余地の縮小もゴールドにはネガティブだ。だから短期的にはゴールドもビットコインも右往左往するだろうが。