12月20日に日本銀行が長期と短期の金利を操作するイールドカーブコントロールを変更し、実質的に長期金利の利上げを行なったことを受け、ドル円の空売りを開始する。
主題は当然ながら円ではなく、ドルの空売りである。
ドル安に賭ける方法
2022年はドル高の年だったが、そこからドル安に転換することになった。筆者がドル安への転換を予想したのは10月のことである。
原油価格の下落などを受け、高止まりしていたアメリカのインフレ率が下落に転じるだろうと踏み、金利低下予想からドル安を予想、ドル建て金価格の上昇に賭けるトレードを行なった。
その後予想通りのインフレ急減速によりドルは急落、ドル建て金価格は以下のように上昇、このポジションは月曜に利益確定をしている。
ドル安に賭ける方法は色々あったのだが、ドル円の空売りではなくゴールドの買いを選んだのは、円に信用がまったくなかったからである。
インフレで国民が困窮している中で金融緩和を続ける中央銀行は狂気の沙汰である。だがそれは長期のトレンドであり、短期的にはドル円もドル安に従って転換するだろうと書きながら、実際のトレードはゴールドで代用してきた。
日銀のイールドカーブコントロール変更
だが少し状況が変わった。今回の日銀のイールドカーブコントロール変更は0.25%の利上げに相当する。黒田総裁は「これは利上げではない」などと意味不明な供述をしているが、彼の言葉は基本的にすべて意味をなさないので無視してよい。
結局は、マクロ経済学者ラリー・サマーズ氏の予想が当たったわけである。だが思ったより早かったと言える。
筆者は当然ながら、この0.25%の利上げで自民党と日銀が改心して無意味に円安を目指す愚かな政策を完全に止めるようになるとは思っていない。この0.25%の利上げの後も、ECB(ヨーロッパ中央銀行)のように利上げを渋り続け、通貨安と国債暴落のはざまを行ったり来たりしながら、両方を少しずつ許容しなければならなくなるのが自民党の率いる日本経済の将来だろう。
自民党が所得税と社会保険税と消費税によって労働世代から給与の半分以上を取り上げ、東京五輪や全国旅行支援などの腐敗した政策に湯水のように使い込み、なおかつ日本国民が大量に保有する日本円の価値を最終的には暴落させるだろうということについては、日本人は自民党に全幅の信頼を置いていい。
だがそれは長期の話である。今回のイールドカーブコントロール変更は、やや早かったという意味でサプライズであり、日本円は一切利上げを行わない駄目な通貨だというこれまでの投資家のコンセンサスを崩し、更なる利上げも有り得るかもしれないという幻想とともに、今後数ヶ月から半年ほどの間ドル円を下方向に持っていってくれるには十分かもしれない。
結論
ということでドル円の空売りを開始する。ゴールドから引き継ぐような形になる。ゴールドの買いを利益確定した理由はゴールドがデフレに弱いからだが、リーマンショックの時にそうだったように、弱気相場で金価格は下落するがドル円の空売りは利益を上げることができる。
これで2023年の大不況に対する備えが整ったと言える。円安政策が何故駄目なのかについては、書き飽きたので前回の記事を参考にしてもらいたい。