前回の記事では、債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏の現在の下落相場への見方を紹介した。
今回は引き続きFOX Businessのインタビューから、ガンドラック氏のビットコイン相場への見方を紹介しよう。
株安におけるビットコイン相場
株式市場が世界的に下落する中、そもそもビットコイン相場はどのように動いているのか? チャートを掲載しよう。
春先までは頑張っていたのだが、やはり下がっている。
この動きについてガンドラック氏は次のように解説している。
ビットコインは直近6営業日で28%下落した。わたしはビットコインはレバレッジをかけたNasdaqのようなものだと言い続けている。Nasdaqは同じ期間に13%下落している。
Nasdaqの動きを以下に掲載する。
ビットコインの動きにかなり似ていると言えるだろう。
インフレとビットコイン
だがハイテク株で構成されるNasdaqはインフレに弱い。一方で、ビットコインはドルからの逃避手段として作られた側面があり、ドルの価値が暴落しているインフレ局面でビットコインがこのように下落しているのは一見腑に落ちない側面がある。
これについて説明するとすれば、この局面がデフレ局面だということである。
どういうことか? 現在の株安相場において株価が一時的に反発したとしても、それが長期下落相場の中の短期上昇相場に過ぎないように、現在の局面は長期インフレ相場における短期デフレ局面なのである。
アメリカでインフレ率は8%まで上がった。
一方で、過去にこのレベルのインフレ率を抑えるためにどれだけの利上げが必要だったかを以下の記事で説明している。
つまり、あまりにインフレを放置し過ぎたために強力過ぎる金融引き締めを行わなければならなくなり、これから起きるのは株価暴落と景気後退、そしてインフレ率の低下である。
しかしそうなれば愚かな政治家たちは再び緩和によって景気を持ち上げようとするだろう。それが今より更に酷いインフレを呼ぶ。
実際、1970年代にはインフレ率はそのように上下を繰り返しながら高騰していったのである。
だから暗号通貨のチャートもこのようになるのだろう。金融引き締めが株価と経済とインフレ率を破壊し、人々がインフレの原因となった景気刺激をもう一度行おうとする時、暗号通貨は暴騰する可能性がある。
しかし今はその時ではない。ガンドラック氏も言っているように、株安はまだ始まったばかりである。
ただ、年始からこの下落相場を予想していた筆者としては、そろそろ暴落が終わった後にどうするかということを考え始めても良いだろう。暗号通貨は、その時に買うべきもののリストに今のところ入っている。