中国恒大集団、9月23日期限のオフショア債の利払いを実行

中国のGDP2%分の負債を抱えてデフォルトの危機にある不動産ディベロッパー恒大集団は、9月23日に期限が来ていたオフショア債券の利払いを実行した。この利払いには30日の猶予期間があり、利払いのないまま猶予期間が終われば正式にデフォルトとなる危険があった。

デフォルトを回避した恒大集団

とりあえずは数日中のデフォルトはなくなったということである。

これは中国市場の投資家にとって喜ぶべきことなのだろうか? ちなみに長らく株式の取引停止となっていた恒大集団は昨日から取引が再開されており、ややサプライズとなった利払いの実行にどういう反応をしているかと言えば、大して反応していない。

何故か? まず第一には、恒大集団はオフショア債券の利払いに連続して失敗しており、次には9月29日に期限が来ていた利払いの30日の猶予期間の終わりが待ち構えている。このように1つ利払いをクリアしても次々に期限が訪れるからである。恒大集団は何処まで支払いを行い続けることが出来るだろうか。

第二に、利払いにこれだけ苦戦している状況では元本の返済は確実に不可能だからである。恒大集団の財務状態はもともと火の車だったが、これまでどうやって資金をつないで来たかと言えば、住宅購入者に前払いをさせたもののその資金は借金の返済に使われるため住宅が出来上がらないという状況を続けることでここまでやってきた。ちなみにこの方法は最近当局に禁じられている。

しかし恒大集団の問題がここまで大事になった後では、そもそも恒大集団に前払いで支払いをする住宅購入者などいないだろう。そうすると資産の大半である手持ちの不動産を売り払って返済資金を作るしかないが、中国の不動産市場は恒大集団のデフォルト危機によって既に下落を始めており、恒大集団の保有資産は財務諸表に書かれている金額よりもかなり値下がりしているはずである。

結論

既に状況は負のスパイラルに突入していると言って良い。当局も恒大集団自体は既に諦めているような感が強い。

重要なのは、中国の不動産価格と建設の状況が既にバブル崩壊の方向に向かっていることである。恒大集団が次にデフォルトする可能性があるのは9月29日の30日後だが、恒大集団がいつデフォルトするのかという問題も大して重要ではないだろう。ニュースに一喜一憂しないことである。