巨額投資詐欺で収監の元Nasdaq会長マドフ氏、獄中で死去

世界最大の投資詐欺事件で収監されていた元Nasdaq会長のバーナード・マドフ氏が獄中で死去した。82歳だった。

元Nasdaq会長の投資詐欺

マドフ氏は1960年に高利回りを売りにしたファンドを設立した。Nasdaq会長を務めたこともあり、その信頼から巨額の資金を集め、その資金は実際には運用せずに新たに得た資金を既存の顧客に配当として渡す形で高利回りを実現し続けているように見せかけた。要するにねずみ講である。

この金融詐欺は意外にもバレず、マドフ氏は40年以上もの間成功したファンドマネージャーだと世間から見なされていたが、2008年のリーマンショックで顧客から資金の払い戻しを要求されたことで実際には資金を運用していないことが発覚、同年12月FBIに逮捕された。ファンドがあまりにも巨額になり引っ込みがつかなくなっていたマドフ氏は、逮捕された時にはほっとしたという。

獄中の活躍

マドフ氏の引き起こした詐欺事件の被害総額は6兆円以上とも言われる。しかしここの読者には、彼はむしろ刑務所内のチョコレートを買い占め獄中でひと財産築いた人物として知られているだろう。捕まってもただでは起きない人物である。

たとえ金融市場がなくとも金融家は投資で成功することができる。ある意味では金融家の鑑である。獄中における彼の活躍がもう聞けなくなるのは寂しくなるだろう。