Guggenheim Partnersのスコット・マイナード氏がCNNのインタビューでビットコイン価格について面白い予想をしているので紹介したい。
コロナ相場におけるビットコイン高騰
コロナ以後ビットコイン価格が上昇している。株式やゴールドなども上昇したが、それ以上に上昇したのがビットコインである。ビットコインの価格は次のように推移している。
コロナ相場初期の安値から8倍に上がった計算となる。しかし興味深いことにマイナード氏はビットコイン価格がここから更に15倍になる可能性があると主張している。彼は次のように述べている。
ビットコインはこれまで市場規模が小さすぎたために機関投資家が参入できなかった。しかしビットコイン価格が1万ドルを超えて市場規模が大きくなってきたあたりで機関投資家にとっても興味深い資産となってきた。
ビットコインはマイナード氏のような機関投資家が参入するには市場規模が十分だとは言えなかった。現状のビットコインの発行量は2,000万をやや下回る程度なので、ビットコイン価格が1ビットコインあたり1万ドルならばすべてのビットコインの価値は2,000億ドルということになる。
これが機関投資家にとってどの程度の大きさかと言えば、以下の記事で紹介した世界最大のヘッジファンドBridgewaterの運用資金が1,000億ドル程度とされているので、Bridgewater2つ分ということになる。
つまり、2,000億ドルという市場規模は世界最大級のヘッジファンドが2つか3つあれば全額保有できてしまう金額であり、資産運用業界にとって決して大きい投資対象とは言えない。しかしビットコインのような上下動の激しい資産をヘッジファンドが大量に保有することはないので、2,000億ドル程度の市場規模があればトレードするには十分だという意味だろう。
ビットコインの市場規模は増え続けるのか?
実際にはビットコインの価格は1万ドルをゆうに超えて4万ドルに差し掛かっているため、市場規模も8,000億ドルまで拡大していることになる。この拡大はいつまで続くのか。マイナード氏は次のように続けている。
ビットコインの供給が世界に存在する金の総量と比較してどれくらいあるかということと金市場全体の大きさを考慮して、ビットコインも同じくらいになると仮定すると、ビットコイン価格は40万ドルから60万ドルまで上がる計算になる。
既存のマーケットと新興のマーケットを比べるのは投資家の十八番である。マイナード氏はビットコインが金と同じようなマーケットとして成立するならばという仮定のもとで最大60万ドルという数字を弾き出した。これは1年足らずで8倍になった今のビットコイン価格から15倍以上上昇することを意味する。
興味深いのは、Bridgewaterのレイ・ダリオ氏もビットコインがゴールドの代わりになるという話をしていたことである。
世界最大級のヘッジファンドたちがビットコインに目を付け始めている。非常に興味深いことである。ビットコインは民間により発行された通貨になりうるのだろうか。