ロシアがウクライナ国境付近に兵を進めていることで欧州市場が荒れている。また、欧州委員長に指名されたユンケル氏から南欧諸国が譲歩を引き出せそうにないとの観測から、紹介したスペインの建築会社FCC (BM:FCC)や保険会社のMapfre (BM:MAP)などが軒並み下落している。
先ず、FCCは文句なしに買い場である。今月発表された決算は決して悪い数字ではなかった。赤字は確実に縮小し、売上高の下落も小幅に留まった。長期で投資している投資家にはユンケル氏は問題ではない。ユンケル氏が譲歩しなければ、今後の選挙で反EUの気運が高まるだけである。利益率が5%に回復した想定におけるP/Eは、株価が€13.2で5、€10.6で4となる。
ポジションを始められるレンジに向かって再び下落中である。ウクライナの動向に直接影響を受ける銘柄でもあるが、欧州とロシアはウクライナを巡って戦争をすることはない。ロシアにとってウクライナは欧州との無用な争いを避けるための中立地帯であったからであり、そのウクライナを巡って欧州と本格的に争うことは、ロシアの本意ではないはずである。また、easyjetの路線でウクライナの影響を受ける箇所は少数である。