今回の急落では相場の動きをすべて事前に書いてしまってるので、ドル円が短期間に4円下落しても、書くことは以前の記事の焼き直しになってしまうが、一応纏めておこう。
米国時間で8月24日の朝、ニューヨーク証券取引所の取引開始直前にS&P 500先物が大きく売られ始め、それに伴いドル円が120円前後の位置から116円台まで一気に滑り落ちた。米国の株式市場の取引開始とともにS&P 500とドル円は一旦底値を付けて反発し、特にドル円は119円前後まで回復している。
ドル円が一気に4円も滑り落ちた理由は、米国株下落に伴う投機筋のポジション解消であり、資金調達のために売られていた低金利通貨の円が買い戻されたわけである。ドル円が120円を割っていなかった頃の事前の記事で、以下のように書いている。
調達通貨としての円の買戻しは、投機筋がポジションを解消するかぎり際限なく続くこととなる。つまり、ドル円の下げはこれからも世界同時株安にほぼ連動し続ける。上記の記事ではS&P 500の下げ幅は高値から15%、数値で言えば1800辺りは十分に有り得るとも書いた。この記事から後、株安は更に進んでいるが、S&P 500はまだこのポイントに達していないので、その意味ではドル円の下落余地はまだまだあることになる。
この記事での予想通り、ドル円は米国株の下落に伴い120円から滑り落ちた。
個人的なトレードについて言えば、以下の記事での目論見に従ってドル円の買い下がりを開始した。
個人的には115円か、株式市場の下げ幅が大きくなれば110円までの調整も一応考えて徐々に買い下がろうと思う。買い下がりの開始は120円前後を考えている。
この記事の頃、ドル円はまだ123円をうろうろしていたため、この見解が保守的過ぎると感じた読者も多いだろう。
115-120のレンジは一次買い下がりラインであり、世界同時株安がここで止まるようならば、ドル円もここで止まる。米国株がリバウンドしてゆくようであれば、米国の利上げの可能性はまだあると踏んでおり、ドル円の買いは短中期的にも報われるポジションとなるだろう。
一方、株安が止まらない場合、利上げは延期されることになるので、ドル円は長期的回復を待つことになる。その場合の買い下がりレンジは110-115円であり、ここまで耐えられるポジションの建て方をしておかなければならない。
ここから先は中央銀行の出方次第であり、Fed(連邦準備制度)が利上げに関して考えていることをよく念頭に置いておくべきである。これまで書いてきた通り、Fedは利上げが可能ならば利上げをしたいのである。
米国時間朝の急落に伴って株の買い持ちを少しだけ増やした。米国株が10%以上下落したからである。次の買い下がりポイントは高値から20%辺りのラインで、30%を超える下落になれば、ようやく買い持ちのポジションが売り持ちのサイズに追いつく速度で買い増そうと思う。そこまでの予測は保険であり、それまでに中央銀行が何らかの対策をするだろう。
空売りのポジションは一切手仕舞っていないし、手仕舞うつもりもない。ドル円の購入もリスクオン方向のポジションだということを忘れてはならない。リスクオン側のポジションについては、本当に安いものだけを厳選して拾うように心がけよう。